近年注目の「散骨」|方法やルール、法律を解説します。

こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。
今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。

近年、故人の葬送に「散骨」の方法を取る方が増えてきているのをご存じでしょうか。
「散骨」は遺骨を粉砕してパウダー状にし、故人のゆかりのある場所などに撒く方法です。

著名人が行ったことで広まり、注目を集めています。

現代は高齢化社会や少子化問題であと継ぎがいない、故人の遺言などで「散骨」を希望する人が増えてきました。

本記事では「散骨」を考えている人のために、分かりやすくご紹介いたします。

目次

散骨とは

散骨とは故人の遺骨を粉砕し海や山などに撒く方法です。
子どもに迷惑かけたくないと墓じまいをする方も急増しています。

散骨をすることでお墓の管理費などの費用がないため、経済的にも良い葬送だと注目を浴びている方法です。

散骨の歴史

散骨の歴史は仏教の基であるインドから始まったと言われています。
インドのガンジス川流域で散骨が行われるようになり、アジアに散骨の文化が伝わり、のちにアメリカやヨーロッパにも広まっていきました。

日本で散骨を初めて行ったのは平安時代から奈良時代と古くからあり、平安時代の
「淳和天皇」が京都の大原野で、天皇自らの遺骨により行われたということです。
その他「和歌」などに妻の散骨をしたという夫が綴っているものもありました。
散骨に関しては法務省、厚生労働省によって1990年頃から散骨に対する判断が流布されています。

法務省によると「散骨」は節度をもって行えば違法ではないということです。

散骨の種類

散骨の種類には一般的には海洋散骨をされる方が多いようですが、故人のゆかりのある場所や山で散骨、宇宙で散骨する方法もありますのでご紹介いたします。

海洋散骨

海洋散骨は海に粉骨を撒き、故人を海に還してあげる方法です。

地域の自治体の条例では、散骨を禁止されているところもありますが、船で沖から離れた場所で散骨を行うのは良いとされています。
専門業者がご遺族様のニーズに合わせて船のチャーターをし、ご遺族様のみでまたは合同で行う方法を選択します。
遺族が行けない場合は委託という形で業者に任せることが可能です。

山散骨

山散骨は言葉の通り山に粉骨を撒く方法ですが、人のいない場所を選ぶことはもちろんのこと、事前に山の所有者を調べなくてはいけません。
なぜならば、許可がなく行った場合トラブルになるからです。
トラブルが起きないためにも、許可を得て注意を払いながら行いましょう。

樹木葬

樹木葬の通常は遺骨を樹木の下に埋葬しますが、散骨の場合は粉骨を樹木の下に撒く形式になります。
粉骨に土をかけて埋葬してしまうと、墓地埋葬法に抵触し違法になりますので注意が必要です。

宇宙散骨

宇宙散骨は特殊なカプセルに粉骨を入れて、ロケットで打ち上げて大気圏外の空中で供養する方法です。

価格は高額になりますが「地球周回軌道を回る」「月面に着陸する」「遥か宇宙空間に旅立つ」などのプランが業者によってあります。

他にバルーンで打ち上げる宇宙散骨もあり、これは成層圏(高度30km〜35km)で気圧により破裂して撒かれる方法です。

空葬散骨

空葬散骨はセスナ機やヘリコプターで、粉骨を空から散骨して供養するスタイルになります。

日本で空からの散骨を許可されているのは公海上と人家の生活圏から遠く離れて限られた国有林です。

散骨して良い場所

散骨して良い場所は決められた範囲がありますので、各自治体のルールに従わなければいけません。

海洋散骨の場合

海洋散骨のときは自治体の条例に従って、海水浴の場所や養殖を行っている海域などから離れた沖合で行うとされています。
自治体によっては海域の距離を決めている団体もいるようなので、業者に頼まず個人で行う場合は注意しなければいけません。

山散骨の場合

山で散骨する場合は決められた区域や所有者の許可がある場所で行います。
散骨業者にマナーをよく聞き、節度を持って行うことが望ましいです。
山の場合はゴミになるものは持ち帰るようにしましょう。

散骨してはいけない場所

散骨してはいけない下記の場所は法律、条例対象でなくてもできません。

・レジャー施設がある広域
・湖・河川・温泉地など
・公共の施設や公園
・漁場・養殖場のある海域
・他人の所有地や私道
・国や自治体の所有地
・観光地や観光ルートがある所

以上のような場所で許可が取れるならば、散骨はできますが安易に判断しない方がよいでしょう。

散骨に対しての法律

散骨に対しての法律は良いとも、いけないとも書かれていませんが、解釈上合法になります。

遺骨のままで撒くと死体遺棄罪になるので、必ず2mm以下に粉砕してから行うのが散骨の流儀です。
山で散骨したものに土をかけると墓地埋葬法「参照:厚生労働省 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)」に触れます。


一度墓地に埋葬したものを散骨する場合は「改葬許可証」が必要です。
節度をもって行えば法務省も良しとされています。

散骨を行う人の理由とは

散骨をしたい人はご遺族様のご意向や、故人が生前「散骨」を希望されていたなどが理由で行うのが現状です。
また、高齢化、少子化で後継者がいなくてお墓が維持できないと言う理由から散骨を希望される人も多くなっています。
お墓に対しての意識が薄れてきているので、散骨を考える人もいるのではないでしょうか。

散骨のメリット

散骨のメリットは墓地埋葬のように、管理などの維持費がかからないことです。
また、後継者がいない人には安心な方法になります。

散骨のデメリット

散骨のデメリットはお墓参りができないことです。
故人に思いをはせる場所がなく寂しいと感じる人もいます。
しかし、全部撒いてしまわず一部を小さい骨壺やカプセルのような物に粉骨を入れ、アクセサリーとして残し供養するのも良いでしょう。

散骨の流れ

散骨の流れは海洋散骨、山散骨などありますが、どの散骨の方法でも業者の指示に従って行うことをおすすめします。
業者に頼らず自分で散骨を行う場合は場所を調べてから行うようにしましょう。

海洋葬の場合

1.火葬死亡届、死亡診断書を役所に提出し火葬許可証をもらい火葬します。
 
2.遺骨を2mm以下に粉砕して粉末状にします。自分で粉砕を行うこともできますが、業者に頼む方が確実です。
 
3.船やチャーター機の手配をしますが、個人で借りるか合同で散骨するかを選択します。
 
4.散骨できる場所には船やチャーター機で行き、遺族の手で散骨・献花・献酒を行い帰港して終了となります。

山への散骨の場合

1.火葬許可証をもらい火葬し遺骨を粉末状にするまでは海洋葬と同じです。

2.山への散骨は所有者がいる場合、調べて許可をとる必要があります。

3.山は国有地、私有地、都道府県所有地などに分かれているので事前によく調べてから散骨を行わなければいけません。

4.散骨して良い場所の樹木の下に撒きますが、供養物は残さず持ち帰ります

5.散骨したところに決して土をかけてはいけません。先に述べました墓地埋葬法に触れてしまいますので注意しましょう。

散骨するときのマナー

散骨をするときは喪服は着ないで通常の服装が、海岸や山に来ている人へ配慮となります。
海水浴の場や養殖海域には散骨しないようにしましょう。

山でも同様に人の多い場所や農作物などの栽培地では、散骨できませんので気をつけましょう。
できるだけ自然に還せないビニールやセロファンは取り外し、花束の場合は花びらのみ撒くのがルールとなっています。
散骨する国や自治体の条例は厳守しなければなりません。

散骨にかかる費用

一家族のみ参加する形式の散骨費用は20万円から30万円が相場です。
しかし2組、3組と合同になると安くなる傾向があります。

遺骨粉砕には1万円から2万円で、セレモニーをする場合別途料金がかかりますので、見積もりが必要になる可能性があるでしょう。

業者に散骨を委託する方法は5万円が相場です。この場合業者が複数の散骨を預かりまとめて散骨します。

散骨後の注意点

散骨をした後は親族のみで供養し、他人にはみだりに散骨をした地点などは話さないように心掛けましょう。

散骨に対しての考えは賛否両論で、遺骨を捨てたと解釈する人も中にはいます。

年忌法要は自宅で行うか、散骨した地点に行き供養する方法が良いでしょう。

まとめ

散骨は違法ではありませんが、散骨するために必要なことをすべて個人で行うことは難しいです。
最低限のポイントとして


・散骨は2mm以下のパウダー状にする
・散骨は決められた場所で行う
・散骨する国や自治体の条例を厳守すること


これらを守り行なうようにしましょう。

現代社会では、散骨して欲しいと遺族に残す人も増えています。 
また散骨の専門業者も多くなってきましたので、これから徐々に増加するのではないでしょうか。

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