お悔やみの言葉のマナーについて

人が亡くなると、ニュースなどで「ご冥福をお祈りいたします」というフレーズを耳にしますよね。

しかし、当たり前に聞いている言葉が実はマナー違反だったという場合もあります。故人との関係性によってはどのような言葉をかけて良いのか分からず、悩む人も少なくありません。

社会人ともなると、同僚から「家族が亡くなったので仕事を休みたい」と連絡がきた場合や、ご葬儀に参列せずに香典だけを渡したい、といった場面も多くなるでしょう。

そこで今回は、職場の同僚や上司の家族が亡くなった際のお悔やみの言葉のマナーについて紹介します。

こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。

今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。

目次

お悔やみの言葉は簡潔に伝えるのがマナー

お悔やみの言葉は簡潔に心を込めて述べることが大切です。
遺族や喪主は、多くの弔問客と接するため、長い言葉の場合は疲れてしまう可能性があるからです。電話で訃報を受け取ったときは長電話を避けてください。

しかし一言であいさつといっても、どのような表現を用いるべきなのか分からない人もいるかと思います。そこでよく使われるあいさつのフレーズについて紹介します。

口語で伝えるお悔やみの言葉

  • 「ご愁傷様です」


「ご愁傷様です」は、唯一、話し言葉で使えるフレーズです。
この言葉には「あなたの悲しい気持ちがよく分かります」といった意味が込められています。

訃報の連絡を受け取ったときや通夜やご葬儀の受付の場面でも使えますので、お悔やみの言葉で悩んだ場合は「この度はご愁傷様です」と伝えるだけで気持ちが伝わります。

弔電やメールでも使えるお悔やみの言葉

  • 「お悔やみ申し上げます」


「亡くなってしまったことを残念に思う」といった意味が込められています。
この言葉は電話で訃報を受け取ったときや弔電、メールなどでも使用できます。

上記の言葉を組み合わせて次の言葉を述べると良いでしょう。

「この度はご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます」

「突然のことで驚いています。謹んでお悔やみ申し上げます」

「ご冥福をお祈りいたします」は遺族が不快になる場合も

有名人が亡くなったときにテレビなどで使われるフレーズですが、遺族が不快に感じる場合もあるため注意が必要です。

「ご冥福をお祈りいたします」は故人に対してかける言葉のため、遺族に向かって伝えるのはマナー違反です。通常は通夜やご葬儀の花入れのとき、焼香のときなどに使います。述べるときはひつぎを前にして、「○○様のご冥福をお祈りいたします」と故人の名前を付けくわえるようにしましょう。

宗派によって使えない場合もある

浄土真宗やキリスト教の場合は、「ご冥福をお祈りいたします」という言葉を使いません。

この「冥福」という言葉は、冥は死後の世界を表し、福は幸福や満足といった意味があります。つまり冥福とは故人の死後の幸せを祈るということになります。

浄土真宗は、南無阿弥陀仏と唱えるとすべての人は極楽浄土へ往生できるとされています。人が亡くなると「仏様」になる、臨終即往生という教えにより冥土に行くことはありません。
「ご冥福をお祈りいたします」という言葉は「死後の世界である冥福にさまよう」という意味ですので、不適切とされています。
キリスト教の場合は「死ぬこと=永遠の命を授かること」だと考えられています。このためご葬儀ではお悔やみの言葉を使いません。宗派が分からない場合もあるため、できるだけ他の言葉を使うとよいでしょう。

遺族に言ってはいけない言葉のマナー

80歳半ばを過ぎた人に対して「大往生」という言葉を使いがちですが、身内以外に使うと失礼に当たりますので注意してください。
広辞苑で大往生を調べると、「少しの苦しみもなく安らかに死ぬこと」と表記されています。他人が「大往生でしたね」という言葉を使うと、遺族に「長生きしたのだから十分だ」と誤解を与えてしまう可能性があります。大往生は、遺族や身内が「故人が寿命を全うできて幸せだった」と感謝の意味を込めて使う言葉ですので気をつけましょう。

亡くなった状況が分からない、といった場合もあると思いますが、故人の死因を尋ねることはマナー違反です。不慮の事故で亡くなるケースもあるため、余計な言葉をかけずにあたたかい言葉を選ぶようにしましょう。また不幸が続くことを連想させる忌み言葉もマナー違反です。「くれぐれも」「追って」「再び」といった言葉を使わないよう注意してください。

お悔やみの言葉は伝えたあとのフレーズも大切

「ご愁傷様です」と伝えたあとに、次の言葉が出てこない人もいるでしょう。
電話で訃報を受け取った場合は、お悔やみの言葉を伝えたあとに、通夜やご葬儀の日程を聞く程度にしましょう。自宅に伺ったときは、遺族にお悔やみの言葉を伝えたあとに「お参りさせていただきます」や「ご焼香させてください」といった言葉を添えます。ご葬儀に参列できず、香典だけを渡したいときは「この度はご愁傷様です。御霊前にお供えください」と伝えるのがマナーです。

家族が亡くなった場合、手続きなどに追われて悲しむ余裕すらない場合もあります。「何かお役に立てることがあれば、お申し付けください」と添えるだけでも相手は安心するでしょう。

まとめ

今回はお悔やみの言葉のマナーについて紹介しました。
お悔やみの言葉は遺族のつらい気持ちを理解し、思いやりの気持ちを込めて伝えるのが基本です。お悔やみの言葉の注意事項は下記の通りです。

  • 「ご愁傷様です」と一言で伝える
  • 簡潔に伝えて長電話や長話をしない
  • 「大往生」だったかを決めるのは遺族側
  • 死因を聞かない
  • 忌み言葉を使わない


くれぐれもマナー違反にならないように注意しましょう。

忌み言葉や死因を聞くことはタブーとされています。ときには「100歳を過ぎて亡くなった」と訃報があることもあるでしょう。参列者からみて大往生だと思っても、決めるのは遺族側です。訃報を受け取った場合は、長話はせず簡潔に済ませることが大人のマナーです。

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