70歳を過ぎると、日ごろからお世話になった人に感謝を伝えたい場面も多くなると思います。
終活を始めた人は、自分が生きている間に生前葬を行ってみたいという人もいるでしょう。生前葬と聞くと「棺の中にも入るの?」「亡くなったら火葬だけで済ませるの?」と疑問に感じる人も。さらに生前葬は資金力があり、人脈が広い人が行うものとして定着しつつあります。
今回は自分が生きている間に葬式を考えている人に向けて、生前葬のやり方などを紹介します。
こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。
今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。
生前葬とは
生前葬とは、自分が亡くなる前に自分のご葬儀を行うことです。
参列者に感謝を伝える場と定着してきており、本人の意向が強く反映される儀式とも言えます。生前葬の相場は参列人数で変動しますが、宗教儀式を行わない場合でも、会場料金・参列者への返礼品・プロデュース料がかかります。
株式会社ハルメクホールディングスの調査によると、男性は女性に比べて終活の実施状況が低いという結果が出ています。
(出典)株式会社ハルメクホールディングスのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000034765.html
生前葬はやり方次第で楽しめる
株式会社 鎌倉新書の調査によると、人生の終わりを考えたとき、生きているうちにしたいこと2位(41.3%)に「身近な人との思い出作りをしたい」と答えています。
実際に生前葬を行った人に感想を聞くと「昔からの知り合いに会う機会を提供してもらい、あいさつをかわすだけで楽しかった」とのことです。よって生前葬は、次のような人が向いています。
- 社会的地位のある人が人生の区切りをつけるため
- 自分の意思でご葬儀をしたい
- 仲が良かった人にお礼を言いたい
- 余命があって残りの人生を大切にしたい人
実際、バラエティ番組で生前葬を行った俳優さんや、追悼特別番組という企画で生前葬を行ったミュージシャンもいます。
参列者が楽しめる工夫がされており、音楽やスライドなどを用いた明るめの生前葬になっています。場所もユニークでイベントとして楽しんでいる印象です。費用や集客を考えると生前葬を行うのが有名人に限られてくるのも納得できますよね。
(出典)第1回ライフエンディング(終活)に関する実態調査
https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/3667/
自分らしさを演出する生前葬のやり方とは
自宅、ホテル、旅館など場所を選ばずに行えるのが生前葬です。
事前に葬儀社に連絡し、どのような演出をしたいのか相談するとよいでしょう。生前葬の多くは無宗教葬で、映像演出や会食などで構成されています。本人のこれまでの軸跡を写真でスライドしたものや、画像演出・スピーチ・余興といった形で進行します。イメージとしては結婚披露宴に近い演出です。本人がカラオケを歌唱したり、往路の楽器演奏があったり、アイディア次第で思い出に残る式になるでしょう。
また、実際のご葬儀のように宗教葬で行うことも可能です。入棺体験と呼ばれる自分が棺に入り、読経を上げてもらう生前葬もあります。いずれも本人の希望通りに進みますが、実際は明るい演出にこだわる人が多いようです。
生前葬のデメリット
亡くなったときに再びご葬儀を行う場合があります。
本人が亡くなった場合、火葬だけでも20~30万円の費用がかかります。
菩提寺がある場合、戒名代、お布施などもあり、生前葬を行うことで出費が多くなることがデメリットです。
また、生前葬は法律で定められている特別な弔事ではないため、慶弔休暇が取得できません。そのため有給休暇などで対応する必要があります。
生前葬は不謹慎?
生前葬は認知度が低く、縁起が悪いといったイメージも定着しています。
本来、ご葬儀とは人が亡くなってから行うもの。
「生きている間にご葬儀なんてとんでもない!」という否定的な意見もあります。日本の場合、生前葬の歴史は江戸時代からと伝えられていますが、一般人に浸透し始めたのは90年代に入ってからです。多くの芸能人が生前葬の様子をテレビで放送し始め、自分の生い立ちや魅力を見せる場として浸透しました。現在では交友関係の広い人が、社会活動の終わりを告知するけじめの場として開催することが多くなっています。
また韓国では「偽のご葬儀」と呼ばれる集団生前葬もあります。
韓国の場合は、自分の命を大切にしてほしいという意味により、自分のためのご葬儀が執り行われているのだそうです。生前葬のやり方も遺影を撮影、遺言書を作成してふたを閉められた暗い棺の中で10分間も横たわるというもの。日本とは考え方が異なりますよね。
まとめ
生前葬とは、自分が生きている間に自分のご葬儀を行う儀式です。
有名人がテレビを通じて生前葬と行ったことで広く知れ渡りました。生前葬はお世話になった人に感謝を伝える場所でもあり、やり方も一般のご葬儀とは異なり、明るく楽しい演出になっています。
会場の料金、謝礼品、演出料を含めると100万円単位のお金はかかります。中には縁起が悪いという人もいるでしょう。ですが人生の区切りとして行う人が多いので、生きている間に感謝を伝えたい人は生前葬を活用し、後悔のない人生を送りましょう。