寺院で行われるご葬儀のことを、寺院葬と呼びます。
通常は菩提寺で行うことが多い寺院葬ですが、遠方に住んでいる・菩提寺がないという方でも出来る寺院葬もあります。
今回は寺院葬とはどんなものなのかメリットやデメリット、また費用や一般的な流れなどをご紹介します。
寺院葬とは
寺院葬とは、お寺であげるご葬儀全般の事で一般的には亡くなられた故人の菩提寺などで行われます。
菩提寺は比較的生まれ育った地域にある場合が多いので、最後は慣れ親しんだ場所で見送ってあげたい、また見送られたいと思う方も多くいるのではないでしょうか?
近年では菩提寺を持たない家庭や、遠方に住んでいるため菩提寺で寺院葬をあげる事が難しい方のために宗派などを問わず寺院葬を執り行っている寺院もあります。
寺院葬を行う際の流れ
寺院葬を行う場合は何といってもご葬儀をあげる寺院との連絡が最も重要となってきます。
事前に相談が出来ていれば慌てなくてもすみますが、急に訪れる場合も多いご葬儀ですので、慌てなくてもいいように事前に流れを把握しておくといいと思います。
①遺体の安置場所の確認
一般的にはご家族が亡くなられてから遺体を自宅に置くのか、寺院に安置するのかを寺院葬を執り行う葬儀社を寺院に相談をします。
その際、間に葬儀会社が入る場合はどの葬儀社にするのかも一緒に相談されるといいと思います。
菩提寺がない場合は寺院葬を取り扱っている葬儀社に間に入ってもらって寺院を決めてもらうという場合もあります。
②納棺・通夜
遺体の安置場所が決まったら自宅から納棺するのか、または寺院でそのまま納棺・通夜を執り行うのかをこちらも寺院と相談します。
③ご葬儀・告別式
④火葬
こちらはセレモニーホールなどで行われるご葬儀と同じ流れとなってきます。
寺院葬のメリット・デメリット
メリット
- 荘厳な雰囲気で葬儀を行える
寺院葬の最大のメリットはその荘厳な雰囲気で行われる葬儀ではないでしょうか。
個人が慣れ親しんだ菩提寺などで行う場合には一般のセレモニーホールとはまた一味違う雰囲気を感じることができると思います。
- 意外と費用を抑える事ができる
また、実はセレモニーホールで行われるよりも安価で済む場合もあります。
寺院葬はお寺で行われるものですので、祭壇などを一から用意する必要がない場合もあります。
また菩提寺である場合は、お寺は檀家の為にあるという理由からセレモニーホールで行う場合と異なり使用料などを取らない寺院もあるそうです。
※寺院によって対応が違ってくるので、確認はしっかり行うようにしてください。
デメリット
- 宗派が限られる
寺院葬のデメリットは、上記で宗派を問わない寺院葬もあると書きましたが現実には宗派が限られる寺院がやはり多い所です。
- 菩提寺かそうでないかで費用に差が出る
先祖代々の菩提寺であれば特に問題はありませんが、菩提寺を持たないまま寺院葬を行いたい場合は檀家とはまた違った費用となる場合が多いので事前の見積もりなどはしっかり確認されるといいと思います。
- バリアフリーには対応していない所が多い
寺院には階段や坂といった場所も多くバリアフリーなどには未対応の寺院も多いため、参列者で身体に不安がある場合はそのあたりも確認されるといいと思います。
寺院葬にかかる費用
こちらは一般的な葬儀会場、セレモニーホールなどで行う場合とそう大きくはかわりませんが、全国のご葬儀にかける費用の平均は約200万前後と言われています。
寺院によってかなり変わってくるのでしっかりと事前の確認が必要です。一般的には寺院の使用料としてお布施とは別に10万~20万程が相場と言われていますが、菩提寺によってはこれらを無料としている所もあります。
また頂く戒名のランクによっても相場が変わってきます。
それ以外にも祭壇をどのようにして設置するのか(寺院にあるものをそのまま使用するのか、一から準備するのか)などでも大きく変わってきます。
まとめ
今回は寺院葬についてご紹介させて頂きました。
生まれ育った場所で最後のお見送りをしてあげたいと近年再び注目を集めている寺院葬。菩提寺がなくても行える場所が増えてくるなど、さまざまなご葬儀の形が執り行われるようになってきました。
寺院葬を検討されているかたは是非一度、寺院や葬儀会社に相談されてみるといいと思います。