こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。
今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。
人生100年といわれるほど長寿国となった日本ですが、誰にでも死は訪れます。
思いもよらぬ形で「余命宣告」を受けることも少なくはなく、その場合、本人はもとより家族にも大きなショックを与えることになります。
深い悲しみに暮れながらも、残された時間を大切に過ごすことが重要となります。
この記事では、余命宣告を受けた時にできること、すべきことについて解説していきます。
余命宣告とは
余命宣告とは、医師から「あなたの命はあと〇ヶ月です」と告げられることをいいます。数ヶ月の場合もあれば、2年3年と年単位で告げられることもあります。
がんや白血病、脳梗塞、くも膜下出血など重い病気と診断された場合に告げられることが多いですが、宣告するかどうかは医師の判断にゆだねられています。
余命の判断基準は過去のデータに基づくもので、同じ病気で亡くなった患者を対象に、50%の患者が亡くなるまでの期間(生存期間中央値)が用いられます。
余命はあくまでも目安でしかなく、宣告された期間よりずっと早く亡くなる方もいれば、逆に2倍も3倍も長く生きられる方もいます。
不安をあおるようにも感じる余命宣告ですが、医師が余命宣告をするのには以下のような理由があります。
・余命宣告をせずに患者が急死した場合、「病院の治療に問題があった」といわれるのを防
ぐため
・本人や家族に心の準備の時間を与えるため
・余裕をもって身辺整理できる時間を与えるため
余命宣告を受けた場合の対応
余命宣告をするしないに加え、本人にするのか家族にするのかも医師の判断によるものとなります。どちらにせよ大変なショックを受けることになりますが、宣告された時の対応について、それぞれのケースでお話しします。
本人が余命宣告を受けた場合
本人が余命宣告を受けた場合、深い悲しみや死への恐怖によりパニックに陥ってしまうことも多々あります。自分の死について告げられた訳ですから、そのような反応となるのも当然のことといえます。
時間をかけて構わないので、まずは現実を受け止め、心を落ち着かせることが大切です。思いっきり叫んだり、泣いたりして構いません。感情を押し殺すことなく表現することも必要です。趣味や旅行に時間を費やすのも平常心を取り戻すのに有効な手段でしょう。
一人で抱えきれない時には、家族や友人に打ち明けたり、心療内科やカウンセリングなどを利用するなどの方法もあります。
頭の中が少し整理でき、落ち着いて考えることができるようになったら、今後の治療について医師と相談しましょう。少しでも延命できるよう治療を続けるのか、残された時間を自宅や思い出の場所で好きなように過ごすのかなど、自分の希望を優先させることが大切です。
家族が余命宣告を受けた場合
患者本人ではなく家族が余命宣告を受けた場合、本人に伝えるかどうかの選択を迫られることになります。病状や予測される進行具合、治療方法や生存期間の事例など医師からしっかりと説明を受けたうえで判断するようにしましょう。
本人に伝える場合、当然のことながら相当なショックを受けることでしょう。泣き叫んだり暴れたりとパニックに陥ることが想像されます。伝える言葉選びは重要ですし、伝えた後に長い時間寄り添ってあげられるよう、場所や時間の確保もしておきましょう。今後の治療や過ごし方についての相談は、本人が落ち着きを取り戻してからするのが良いでしょう。
本人に伝えない場合、家族だけが余命を知った状態で過ごすことになります。患者本人には「病気はよくなる」「頑張って治療しよう」という態度で接する必要があります。とはいえ、残された時間は限られている訳ですから、できる限り患者本人と過ごす時間を持ち、希望することがあれば自然な形で叶えてあげられるよう精一杯の配慮をしましょう。
余命宣告を受けたらやること
余命宣告を受けた後に本人および家族がやるべきこと、やっておいた方が良いことについて説明します。
やりたいことをリスト化する
「旅行に行きたい」「お世話になった人に会っておきたい」「毎日ブログを書きたい」など、思いつく限りのやりたいことを書き出してリスト化しましょう。
ひとつずつ達成していくことで充実感が得られ、生きることへの希望を持てるようになります。治療のための入院や体力の衰えも考慮し、やりたいことに優先順位を付けておくと良いでしょう。
写真や映像をたくさん撮る
写真や映像をたくさん撮ることは、家族にとってかけがえのない思い出になります。スマートフォンが普及し、画素数も格段に高くなった今日では、あらゆる場面で手軽に写真や動画を撮ることができます。恥ずかしがることなく積極的に撮りましょう。
本人の気に入った写真を遺影に使うのも良いと思います。
保険の内容を確認する
医療保険や生命保険など、本人が被保険者となっている保険について内容を確認しましょう。
保険に入っていても請求しない限り、保険金が支払われることはありませんので、家族が知らずに加入している保険がないかの確認もしておきましょう。
生命保険には「リビングニーズ特約」といわれる特約が付いている場合があります。リビングニーズ特約とは、余命6ヶ月以内と判断された場合に、本来は亡くなった時に支払われる死亡保険金の一部または全部を生前に受け取ることができる特約です。高額となる医療費に充てることができるほか、残された時間を有意義に過ごすために使うこともできるので、必ず確認することをお勧めします。
金融機関や各種契約の確認
患者本人の口座がどの金融機関にあり、どれだけの預貯金があるのか確認しておきましょう。死亡後は口座が凍結されてしまい、遺産分割が済むまで出金や振込などは一切できなくなります。
仮払い制度により、ひとつの金融機関につき150万円を上限に引き出すことも可能ですが、亡くなった方の戸籍謄本や引き出す方の印鑑証明などを揃える必要があります。葬儀代や治療費の支払いなどまとまったお金が必要となる場合は、本人の了承のもと生前に引き出しておくと良いでしょう。
公共料金や会費の発生する契約、インターネットや携帯電話の契約状況なども把握しておきましょう。これらについては本人が亡くなった後に解約手続きをする必要があります。
財産や負債の確認と相続の準備
相続に関する準備として不動産や預貯金、有価証券などの財産と、住宅ローンや未払いの税金、医療費などの負債を確認しておくことも大切です。
これらを「財産目録」として形にしておくことで、遺産分割にかける時間を大幅に短縮することができます。
相続において、相続人の間で争いが起きるのを避ける手段として、「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」などの遺言書の作成があげられます。
ご葬儀の準備
本人の希望するご葬儀スタイルや規模、ご葬儀に呼んでほしい人、遺骨の納め先などを生前に確認しておくことで、遺族は迷いなく故人を送り出すことができます。
費用についてもあらかじめ準備しておくことで、直前になって慌てることなく対応できます。
まとめ
余命宣告は、受けた人にしか分からない悲しみや絶望感があることでしょう。
やるべきことはたくさんありますが、何よりも大切なのは、残された時間を悔いなく過ごすことです。患者自身の力だけではどうにもならないことも多いため、家族をはじめとする周囲のサポートが不可欠といえるでしょう。
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