こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。
今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。
私たち日本人にとって、「お墓」はなじみ深い場所であるものの、いざ購入するとなると何から始めれば良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。
マイホームを購入するのと同じように、お墓を購入するのも人生で一度きりの人がほとんどだと思います。購入した後で後悔することのないよう、この記事ではお墓の購入についての手順や注意すべき点について解説していきます。
お墓の意味と歴史
お墓の持つ意味には、物理的なものと精神的なものの2通りの意味があります。
物理的には、亡くなった人の遺骨を収納する場所です。「墓地、埋葬等に関する法律」により、亡くなった人の「埋葬又は焼骨の埋蔵は墓地以外に行ってはならない。」と法律で定められています。したがって、海などに散骨するか手元供養で自宅などに保管する以外は、亡くなった人の遺骨はお墓に埋葬する必要があります。
次に精神的な意味についてです。お墓は先祖供養の場であり、亡くなった人と残された人たちをつなぐという精神的な役割があります。お正月やお盆、お彼岸などにお墓の前で手を合わせるのは、故人の冥福を祈るとともに、残された家族の近況を報告するなどして、いつまでも故人との関係を続けているのです。
お墓の歴史をさかのぼると、古くは縄文時代に埋葬の文化があったといわれています。当時は墓石などはなく、穴を掘って遺体を埋葬するというシンプルなものでした。古墳時代には、権力者のお墓である古墳が登場します。鎌倉時代に入ると仏教の流行により、一般庶民の間でも火葬が行われるようになりますが、この時点でもまだ墓石などの墓標は置かれることはありませんでした。現在のお墓の形が浸透したのは、寺請制度が廃止され公共の墓地が造られるようになった明治時代になってからのことです。
お墓を購入する流れ
お墓を購入する流れについて、大きく3つのステップに分けて解説していきます。
1. お墓のタイプを決める
・一般墓
「お墓」と聞いて多くの人がイメージするのが一般墓です。「家墓」「継承墓」と呼ばれることもあります。
一般墓は家族や一族のお墓として、何世代にも渡り引き継がれていくお墓です。
霊園や墓地の区画を使用する権利(永代使用権)を購入し、墓石を建てます。初期費用として永代使用料や墓石代が必要となるほか、年間管理費の支払いも発生します。
・樹木葬
樹木葬は、墓石を建てる代わりに墓標となる樹木の下に遺骨を埋葬するタイプのお墓です。
遺骨ごとに樹木がある個別型と、複数の遺骨をまとめて樹木の下に埋葬する合祀型とに分かれます。
一般墓と比べて費用が安く済むことが多いですが、いったん埋葬してしまうと後から遺骨を取り出すことはできなくなります。
・納骨堂
納骨堂は、屋内に遺骨を納めるスペースが設置された建物で、室内型のお墓になります。
納骨スペースは一人用、夫婦用、家族用などがあり、様ざまな単位で遺骨を納めることができます。
納骨堂の中にもいくつかの種類があり、コインロッカーのように区切られた鍵付きのコインロッカー式、カードや暗証番号で遺骨が参拝する場所まで自動搬送されてくるマンション式、位牌の下に納骨スペースが設置された位牌式などがあります。
・永代供養墓
永代供養墓は、遺族に代わって霊園や寺院の管理者が遺骨の管理・供養を行うお墓です。
一般墓のようにお墓を継承していく必要がないため、故人に身寄りがない場合や、子や孫にお墓を維持管理する負担をかけたくないと考える場合などに選ばれる傾向があります。
墓地や墓石も自分で用意する必要がないため、費用がかなり抑えられるのも永代供養墓の特徴といえるでしょう。
樹木葬や納骨堂には、永代供養が付いたものが多く見受けられます。
2. 墓地を決める
一般墓を建てる場合には、3種類ある墓地の中からいずれかを選択することになります。
・寺院墓地
寺院墓地は、お寺の境内にある墓地のことで、当然ながら運営しているのはそのお寺になります。
寺院墓地にお墓を建てる場合、基本的には宗旨宗派が合致していて檀家である必要があります。
メリットとして、
・ご葬儀、法要で読経してもらえる
・仏事全般の相談に乗ってもらえる
・檀家としてお墓を守ってもらえる
デメリットとして、
・檀家として経済的支援を求められる
・墓石のデザインに制限がある
以上のようなことがあげられます。
・公営霊園
公営霊園は、都道府県や市区町村といった自治体が運営している霊園です。
宗教的な制約はありませんが、お墓を建てる人がその自治体の住人であることが必須となります。
メリットとして、
・経営が安定しているため倒産のリスクが少ない
・永代使用料や年間管理費が安い
・墓石のデザインや石材店の縛りがない
デメリットとして、
・人気のため競争率が高い
・応募条件が課される場合がある
以上のようなことがあげられます。
・民営霊園
民営霊園は、財団法人や宗教法人、民間企業などが運営している霊園です。
指定石材店制度という制度があり、決められた1~5社ほどの石材店が霊園での工事や管理を行っている場合が多く、墓石の購入先が決められてしまいます。寺院墓地や公営霊園と比べて新しいタイプの墓地であり、宗教や国籍の制限はほとんどありません。
メリットとして、
・設備が整っている(休憩所・売店・水くみ場・トイレなど)
・購入にあたっての資格条件がない
・数が多く常時募集を行っている
デメリットとして、
・公営霊園と比べると費用が割高になる
・石材店を自由に選べない
以上のようなことがあげられます。
3. 墓石を決める
最後に、墓地に立てる墓石を決定します。
まずは墓石を購入する石材店を探しましょう。寺院墓地や民営霊園のように指定の石材店が決まっている場合と公営霊園のように自分で石材店を選べる場合とがあります。石材店によって取り扱う石材の種類や施工方法に違いがあったりもします。自分で石材店を選ぶ場合は、実績や評判などを参考にするとともに、1社で決めることはせず複数の石材店で相見積もりを取るようにしましょう。
石材店が決まれば、あとは墓石のデザインを決めます。デザインは大きく分けて3つあります。昔からお墓としてなじみのあるのが「和型墓石」です。石材を多く使用するため高額になりやすいです。近年、より多くの人に選ばれるようになっているのが、墓石に刻む彫刻や文字の自由度が高い「洋型墓石」です。洋型は和型に比べて石の量が少なく、費用も安くなる傾向があります。最後にもうひとつ「デザイン墓石」があります。デザイン墓石は購入者が自由にデザインすることができ、故人が好きだったものをモチーフにしたり、丸みを帯びたデザインや、角ばったデザインで故人の人柄を表すこともできます。オリジナルのものは高額になることが多いです。
まとめ
お墓を購入するにあたって、墓地や墓石の選択肢は昔と比べて随分と増えています。
墓地によっては墓石のデザインに制限のある場合もありますので、希望するデザインが建てられる墓地かどうかの確認は事前に行う必要があります。
購入者の事情や故人の希望など、総合的に考えて悔いのないお墓選びをしましょう。
【関連記事】手元供養の方法について