ご葬儀にあたり、喪主は参列者から「香典」を受け取ります。
香典を受け取ったお礼として一般的には「香典返し」をしますが、そのマナーをご存知でしょうか?
今回の記事では、香典返しのマナーについてご説明していきます。実際の品物選びやポイントもまとめているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。
今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。
「香典返し」とは頂いた香典へのお礼
そもそも、香典とは故人の霊前に供える金品であり、昔はご葬儀を行う上での費用として助け合いの精神から行われたものです。
「香典返し」をすることによって、頂いた香典へのお礼の気持ちとご葬儀が無事に終了したという意味が相手に伝わります。本来は四十九日法要を終えてからの「後返し」が一般的でしたが、現在では「当日返し」が主流となっています。
相場は半分から3分の1程度が目安
香典返しの品物は、頂いた香典の半分から3分の1程度が目安です。
ただし高額な香典の場合、ご葬儀の足しにしてほしいという願いで供えていることもあるので、3分の1から4分の1でのお返しで良いともされています。お礼の仕方で迷った場合は家族の方、もしくは葬儀社と相談してみてください。
地域によりマナーが異なる香典返し
地域でみると、東日本では葬儀会場で渡す「当日返し」、西日本では「後返し」が多いようです。
それと家庭による考え方の違いが出てくる場合もあるため、どのようにお返しをするのかをあらかじめ決めておくと良いでしょう。
当日返しの場合:会葬御礼品とは別物
香典返しを当日に行う時は、あらかじめ香典の金額を予想し準備します。
多いのは2,000〜3,000円で案内されるケースです。高額の香典を頂いた場合は、後日その金額に見合う半分から3分の1の香典返しをするのがマナーとされています。そのため誰からどのくらいの香典を頂いたのかをきちんと記録しておくと安心です。その場合は当日に渡した品物代を引いて、半分から3分の1の金額になるように贈ると良いでしょう。
また香典返しは、会葬御礼品と混同されがちなので注意しておきましょう。会葬御礼品や会葬礼状とは、ご葬儀や通夜に参列してくれたことへのお礼です。意味合いとしては別物なので注意しておきましょう。
後返しの場合:贈る時期に気をつける
後ほど香典返しを行う時は、贈る時期に気をつけましょう。
四十九日を過ぎてから贈るのが本来の後返しです。「四十九日法要でお渡しすれば良いのでは?」と思われがちですが、法要返礼品とも別物なので注意しましょう。そのため近年では、ご葬儀から1ヶ月以内を目安に贈るのが一般的とされています。
手渡しが基本とされていますが、遠方に住んでいる方に送る場合は郵送でも構いません。その際には丁寧な挨拶文を添えて贈るようにしてください。また、後返しが1ヶ月以上過ぎてしまった時は、お詫びの言葉も加えるようにしましょう。
参考1:宗教別の香典返しマナー
後返しの場合は宗教により時期が異なるので注意しましょう。
- 神式…三十日祭、または五十日祭後
- キリスト教カトリック…30日目追悼ミサ後
- キリスト教プロテスタント…1ヶ月後の召天記念日の後
参考2:こんな時どうする?
会社や連名・団体で頂いた香典返しへのパターン別の対応をまとめました。
【会社関係】
会社の福利厚生、経費で賄われているケースが多いため、お返しは不要です。
ただし、社長や役員から会社とは別に香典を頂いた場合は香典返しの必要があります。
【取引先】
総務部などに確認し、会社の風土や前例に合わせましょう。
【部署や友人など連名】
一人一人へのお返しではなく、人数分のお菓子などで対応しましょう。
香典返しを贈るマナーと注意点
実際に香典返しを贈る時のマナーについてまとめました。ポイントは以下の3つです。
- 熨斗のない掛け紙
- 表書き
- 品物選び
香典返の際に失礼がないよう、ポイントをしっかり押さえておきましょう。
①熨斗のない掛け紙を使う
慶事への贈り物は熨斗のある掛け紙を使いますが、香典返しは以下の特徴がある掛け紙を使いましょう。
- 白黒または黄白の水引
- その水引が結び切りの形をしている
- 蓮の花は仏式専用なので注意する
東日本は白黒、西日本は黄白の水引の描かれた掛け紙が多いようです。いずれも「熨斗がない掛け紙」を使用すると覚えましょう。
②表書き:「志」はどの宗教でもOK
表書きは宗教を問わず使える「志」、名前は喪主名が一般的です。
そのほかだと仏式では「忌明志」や「満中陰志」(西日本地域)、神式やキリスト教では「偲び草」と表記します。地域や宗教に合わせて表書きをしましょう。
③品物:「消えもの」を選ぶ
香典返しは不祝儀に対するお返しなので、基本的には「消えもの」を選ぶと良いでしょう。一般的には食品や日用品が多く選ばれる傾向にあります。
【例】
- 食品…お茶、コーヒー、海苔、砂糖
- 日用品…石鹸、洗剤、タオルなど
食品は日持ちするものを選びましょう。肉や魚などすぐに消費しなければなけないものは避けます。
ただし日持ちするからと言って鰹節、昆布などの慶事に使われるものもNGです。また、マナー違反ではないですが、金券や商品券などの金額が分かるものは避けましょう。金額が分かるがゆえに快く思わない方もいます。
最近の傾向として、カタログギフトを贈るケースも増えてきました。失敗が少ないからという理由で人気ですが、こちらはご年配の方に渡す際には注意が必要です。贈る相手に失礼のないよう選ぶようにしましょう。
参考:迷ったらこの品物もOK
以下の意味合いがあるためOKとされている品物があります。
- 「故人が土に帰る」…陶磁器
- 「不幸を塗りつぶす」…漆器
- 「魔除け」…金物(銅製品、ステンレスやアルミなど)
まとめ|香典返しは贈る時期と品物に気をつけて贈ろう
今回は香典返しのマナーについてまとめました。
どの宗教でも香典返しは半分から3分の1が相場と言われています。返し方は、当日返しか後返しのどちらかに絞って対応するようにしましょう。後返しの場合は、贈る時期と品物に気をつければ間違いありません。香典を供えてくれた気持ちを大切にして香典返しを贈りましょう。
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